北京オリンピックまで聞いたことの無かった「ハケン切り」という言葉が毎日ニュースにあふれ、明日は我が身と体の底に冷たいものが固くなる。
新聞記事などを読むとハケン切りをする会社は悪モノという論調が多い。ボクはハケン切りしている会社の財務のカラクリは全く知らないのでトヨタもキヤノンもソニーも悪なんだー、と一方的に眺めるしかない。さらに昨日ネットの中でハケン切りをする会社の不買運動を起こそうという動きまであることを知った。
でも、世界的な非常事態で工場閉鎖や休業を余儀なくされる時、人を雇い続けることが「善」なのだろうか?超巨大企業なのにも関わらず非常に素早く柔軟に対応し、苦しい中のベターな方策なのではないだろうか。
企業経営とは利益を出すことが善であり、時代が進むとともに年単位、半年単位、三ヶ月単位、月単位と利益が出たかどうかの結果が問われるようになった。そんな中でマクドナルドやダイエーの創業者が営々と築いた地盤がありながら数年の赤字を出したことで失意の内に代表の座を追われ、ソニーの出井さんなどマスコミに大々的に持ち上げられた人たちも業績を落とした瞬間に散々叩かれた。
ここ20年で、会社は株主の方角に頭を向け、消費者や働く人はつま先に位置していたことは昔より明確になり、世の中じゅうが認知していたことだ。
そういう枠組み、もっと言えばルールが変わっていたにも関わらず、ハケン切りに対しては一方的に断罪する(してるように感じる)
切っていいと言ってるわけではもちろん無い。若く独身ならまだしも、年老いた家族持ちにとって生計が成り立たないことは恐怖だし、経営するものにとっても「後退」を意味する行動をとることがどれほどつらく危険なことか。
でも後退せざるを得ない状況であり、鈍重に決断を鈍らせれば会社そのものが崩壊する危機に直面する。昔JRが国鉄だったころ巨額の赤字を垂れ流し続けた体質はまさに鈍重で緩慢な経営体質だったと記憶する。それに比べればしなやかで機敏な対処であり、一刻も早くV字回復を果たそうという明確な意志の表れに思う。
感情的な「経営者寄り」考えだけでもいかんと思うのでハケン切りとはどういうことか数字にしてみる。一人あたりの人件費を手取り25万くらいの月給なら年間支出は400万〜500万程度だ。この人を一万人解雇したら500万×一万人で500億の支出をカットできる。
一般人にとっては縁遠い数字だけどトヨタやキヤノンのとっての500億という数字は、正直言って屋台骨にかかわるほどの支出ではない。
本当はきちんと違約金的に給料を支払ってもいいくらいの現金はあるはず。しかし日本のリーダー企業がそれをしてしまうと「それが当然」になってしまう。それはまた難しい話だ。
すごく稚拙だとは思うが、ハケン切りを最小限にするためにはモノが売れることが何よりなので、どこに消えるかわからないバラマキ金ではなく国の補助で「新車購入先着10万名に10万円プレゼント!」とかをやって車が売れた方がいいと思う(これ一回につき使う税金はたったの100億)
長々と書いたけど、日本はモノを作って輸出してナンボの国なので、ハケン切りを叩くより輸出メーカーを早急に復活させる建設的手だてが必要であると考える
※失職が身近な問題の方には不愉快な表現があるかもしれません。拙い筆力で申し訳ありません。本意として現在の企業防衛姿勢を支持している訳ではありませんのでご理解ください。